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フリーランスサポーター、Free’s netです。
最近、Threadsのアカウントを作りました。
とはいえ、たくさんのSNS、全てのアカウントをきちんと運営するのは大変なので、Threadsはもっぱら読むだけ。
なのですが、気になるのが「相互無償でお願いします」という、撮影依頼が結構あること。
もしも自分が「相互無償で」と言われたら、どう対応するのがよいのでしょうか?
●そもそも“相互無償”って何?
ヘアメイク界隈においての“相互無償”とは、ざっくり言うと
「お互いタダで技術を提供して、作品を作りましょう」
という撮影のこと。
例えば、クライアントに提示する作例を準備しておきたい場合、撮影にはモデルさん、カメラマンさん等が必要になります。
そのときに、モデルさんやカメラマンさんにギャラを支払う代わりに、
撮影データを共有して、SNSに上げたり、ホームページに載せたりを、お互い自由にしていいよ、
という取り決めにするのが、よくある“相互無償案件”です。
●相互無償の問題点
必要な写真の撮影に人件費がかからない、というのは非常に有難い話です。
でも、プロ同士が撮影するのにギャラなし、というのは、費用をいただいている他のお客様に、失礼なのかもしれません。
また、お互いプロである以上、その撮影の時間を別の業務に充てることで発生する利益の損失、とも言えます。
お金が全てではないですが、やはり対価をいただくからこそ生まれる、責任感もあり、
無償だから、となあなあになってしまい、作品のクオリティが下がる恐れもあります。
(できれば、1回限りではなく継続して撮影をし、回を重ねるごとにクオリティを上げていけると良いですね)
このように、どういう観点から見ても、プロに対して無償で技術を提供しろ、というのは、本来は非常識なことなのです。
では、いついかなる場合にも、相互無償での作品撮りは、“やってはいけないこと”なのでしょうか?
●無償でもよい場合
自分より断然キャリアのある人に無償で動いてもらうのは、その人が積んできた経験や知識を一方的に利用している、とも言えます。
でも、これが、撮影チーム全員が同じくらいの経験値であれば、“共に切磋琢磨し、成長していく仲間”になり得ます。
私がかつて、無償で作品撮りをしていた仲間は、今はお互いに、ギャラの発生する仕事を依頼し合っています。
カメラマンさんが受注した撮影のヘアメイクとして呼んでくれたり
モデルさんが、オーディション用の写真を撮るために、カメラマンさんにお願いしたり。
要するに未来の人脈作りなので、ギャラが発生しなくとも、誠実な姿勢は大事だと思います。
時間を守る、や、かかった費用(スタジオレンタル代等)は分担して精算する、などの当たり前のことをないがしろにしない。
社会人として信頼できる人でないと、一緒に仕事をしようとは、思わないですよね。
●絶対に無償ではダメな場合
逆に、「それは絶対、ギャラを支払わないと!」というのは、どんなときでしょう。
それは、“自分がお客様(クライアント企業)から、支払いを受けているとき”です。
作品撮りでは、そこで直接の利益は生まれませんが、
誰かに依頼された撮影だったり、
参加費をいただく撮影会などで、
利益が発生しているのに、一緒に仕事をした方に支払いをせず、一人占めしてしまうと、
そこから信頼を回復するのは難しいと思います。
繰り返しになりますが、お金が全てではありません。
でも、それを生業にしている方に、技術や知識、技術を提供してもらって、
対価を支払わないことを、当たり前だと思ってはいけません。
それは、相手を軽視していることになるし、自分の仕事の価値も下げてしまいます。
●『30年と30秒』
ピカソの逸話として知られている『30年と30秒』という話があります。
街中である人に「ここに絵を描いて欲しい」と言われたピカソは
その小さな紙に30秒程でさっと描いた絵に、100万ドルの値をつけました。
「この絵を描くのに30秒しかかかってないのに?!」と驚くその人に、ピカソは
「30年と30秒ですよ」と返した、という話。
この逸話自体は、別の人の発言だという説もあり、数字も30年だったり40年だったりして、信憑性に疑問はありますが、
実際、どんな人の仕事にも、表面だけでは見えない努力や、積み重ねたものがあるのです。
それが例え、30年もの長さでなくても、です。
相手の“30年”に敬意を払い、自分の“30年”に誇りを持っている限り、
上記のような共に成長するチームや、既に信頼関係ができている同士でなければ
“相互無償で”という発想にはならないんじゃないかな、と、私は思います。

