業界の常識は世間の非常識、かもしれない

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今年の成人式業務は無事、終わりましたか?

私が業務にあたった神戸は、晴れて暖かく、晴れ着姿のお嬢様達を、安心して送り出せる日でした。

地域によっては今年も、延期や中止だったので、それを思うと、ちょっと心苦しくはありますが…。

☆成人式業務の思い出

ところで、成人式の頃になると、思い出すことがあります。

ヘアメイクスクールの講師をしていた時、成人式実習の練習をしていた、社会人クラスの生徒さんとの会話なのですが。

生徒さん「当日は忙しいって言っても、お手洗いに行きたくなったりしたら、行けるんですよね?w」
私「え…?無理かも」
生徒さん「え?!その日、生理だったりしても…?」
私「長時間用とかで頑張ってもらうしかないかな…」
生徒さん「ヒドイ!先生も女性なのに!😠」

と、まあ、「女性なのに女性の気持ちがわかってない」と、ちょっと怒られてしまいました😞

成人式業務の経験がある方なら、「そうは言っても仕方ないかもね…」と思っていただけるのではないかと思います。

(ちなみに、実習当日はもちろん、お手洗いどころではありませんでした…)

成人式に限らず、サロンワークやブライダルでも、「ご飯は立ったまま、おにぎり齧るだけ」など、美容業界に慣れた方ほど、「そんなもんでしょ」って思ってしまうような気がします。

でも、社会人クラスの生徒さん、美容業界以外で働いた経験のある方にしたら「そんなバカな!!」という、とんでもない話だったのかもしれません。

☆「そんなもん」ではすまない時代

昨今は『働き方改革』など、多くの業界で、労働環境が良くなってきています。

美容業界だけが昔のままでいて、若い方が「美容の仕事がしたい!」と思うでしょうか。

美容師さんは忙しいと、座って食事なんてしてられなくて当たり前。

成人式、卒業式、また婚礼で朝一の挙式担当など、始発で出勤、下手したら電車が動く前に車で出勤して当たり前。

そんな業界の「当たり前」は、これから美容の仕事がしたい、と思っている皆さんも、納得して受け入れられるものでしょうか。

人生100年時代、他の業種を経験してから、学校に通ったり、資格を取って、転職することも増えるでしょう。

他業種で働いた経験と比べて、「当たり前」とは到底思えないはずです。

また、周りの他業種の友人や家族と比べて、ブラックな業界に見える、ということもあるかもしれません。

恐らく、多くの美容業界の方が、労働環境を良くしたいと思いながら、具体策を見つけられずにいるのだろうと思います。

昔に比べたら、随分良くなっているのかもしれませんが、周りの他業種もどんどん良い環境になっているので、比較すればやっぱり、まだまだブラックな働き方のように思います。

例えば成人式なら、全てのお客さまを、式典に遅れることなく送り出すことが最優先事項です。

役所が決めた式典の時間が10時なら、10時まで(移動時間も考えるともっと早く)に何十人、何百人のお嬢さんの支度をしないといけなくて、でも、集められる施術者の数、会場に設置できる着付スペースやヘアメイクブースには限りがある。

そうして時間帯毎の限界を超えたら、式典に間に合うためには、どんどん早い時間に予約の枠を設けざるを得ない。

そうすると、朝4時施術スタート→朝礼はそれに間に合うよう3時から→起床は前泊してても2時、なんてことになる。

☆解決法はあるのか?

じゃあ、スタッフを増やしてヘア担当、メイク担当に分ければ、ブースは増やさずとも、時間は半減できるのでは?

例えばブライダルに関しては、東京などではヘア、メイクそれぞれの担当がいることが増えたという噂を聞きました。

その場合、時間も短縮でき、どちらかがお客さまの側にいれば、もう一人が休憩もできます。

でも、スタッフが倍増するわけで、その分増えた人件費はお客さまからいただくお代金に上乗せすることになりますよね。

今でさえ「結婚式なんてぼったくり」みたいな言われ方をしているのに、更に上乗せは可能でしょうか。

そもそも、現状の倍のスタッフを確保できるサロンさん、事務所さんなどはほぼない、むしろ今でさえスタッフの取り合いに近いと思います。

でも、時代に合った、働きやすい環境を整えなくては、働き手を確保できず、その業界は廃れていきます。

ある業界の改善は、その業界の中では収まらないのかもしれません。

まずは、単価アップしても、お客さまが納得してお支払いただけるよう、ヘアメイクの価値を広くしっかりと伝えること。

デフレの解消には、一人一人が価値あるものには相応の対価を払う、という思考が必要だと言われ、その考え方は少しずつ浸透しつつあるようにも見えます。

お客さまに価値を理解していただくのと同時に、その期待に応えられる、技術、知識を身に付ける必要もあります。

そして、お支度をする儀式のあり方を見直してみること。

例えば、成人の日自体がハッピーマンデーで変動するのだから、いっそのこと、お祝いする日は個々の誕生日などにして、同じ日に集中しないようにするとか。

もっと単純に、式典の開始時間を午後にするとか。

これは式典を行う自治体の協力が必要ですが、新成人も家族も楽になって悪くないはず…だけど、昔は前日にヘアセット、なんてこともあり、もっと大変だったはずなのに、改善されていない理由が何か、あるのかもしれません。

それでも、少なくとも、現状を変えられないのか、と考えるだけでも価値があると思います。

まずは、常識を疑え。そして、改善できない理由が頭に浮かんだら、一つ一つ、反証してみる。

一人では解決できなくても、誰かの協力があればできるかもしれないし、業界外の変化で解決するかもしれない。

少しでも働きやすく、夢や希望を見出だしてくれた人たちを、自信を持って迎え入れられる業界であるよう、今、その仕事をしている一人一人が考え、行動していきたいものです。

今こそ変革の時かもしれない。

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