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フリーランスサポーター、Free’s netです。
制作に参加している映画『THE HIMIKO~LEGEND OF YAMATAIKOKU~』の撮影も佳境に入り、来月には大半のキャスト大集結の、クライマックスシーンの撮影が。
一気に、20名近いキャストのヘアメイクをするために、ヘルプのヘアメイクさんの手配をしたのですが、そこで思ったことがありました。
予算が潤沢な訳ではないので、できれば学生さんの実習やボランティアがありがたいけど、学校を通すと引率の先生のギャラが発生します。
(他のスタッフから「引率はいらない」と言われたけど、講師の経験上、学校としては日頃からのつきあいのない現場に、学生だけで行かせる訳にいかないのです)
ここで学校を通さない、実習やインターンの受け入れ体制を作っておけばよかったな、と思ったので、追々システム化していこうと思います。
そんなことを考えていると、自分が学生のときも、講師になって引率でも、いろんな実習があってよかったな、と懐かしくなったので、今回はそんなお話です。
●プロになってからの業務に直結する成人式実習
ヘアメイク業界最大の年間行事、成人式。
「プロの現場って、こんなに時間に追われて人がたくさん出入りして、技術以外にも周りの状況に気を配らなければいけないんだ」と実感できるので、参加できる学生さんはぜひ、参加してください。
講師として参加したときは、学生の技術のチェック&フォロー係だったのですが、最後は「間に合わない!」ってことで、普通にヘアセットしてた年もありました(笑)
学生の実習だからって、お客様の一生一回の成人式に遅刻させるわけにも、式典が終わるまでに崩れてしまうような施術をするわけにもいかないので、タイムも含めて事前練習もするだろうし、実力は上がるはず!
●お子さま向けイベント
私の在学中、スクールにも近い大阪ドーム(現・京セラドーム)で、サンリオさんのイベントがありました。
そこで、キティちゃんのパッケージのコスメを使って、キティちゃんと記念撮影するお子さまのメイクをするのが、私たちの仕事。
大人と違って、基礎、ベースをきちんと作る必要はなく、ちょっと目元にキラキラつけてあげたり、リップやチークで色を乗せてあげるだけで、にっこり笑顔になるのが可愛かったです!
学校での練習は、相モデルで同世代の肌や髪を触ることがほとんどだと思います。
プロになっていきなり、お子さまのつるんつるんの肌やサラサラの髪を触ると、困惑するかもしれないので、こういう実習も機会があれば、参加しておくと良いと思います。
●高齢者施設への訪問
私が通っていたスクールを選んだ理由のひとつに、高齢者施設での《メイクセラピー実習》がありました。
(現在は、“セラピー”という言葉は、医学的裏付けのないものに使えず、“メイクセラピー”も使えないはず…私の記憶が確かなら(汗))
でも、メイクをすることで心身に影響があるんだな、と実感したことがありました。
それは講師として引率していた、ある施設でのメイクイベントのこと。
ふと見ると、一人の初老の男性が泣いているではないですか?!
視線の先には、車椅子でメイク施術を受けている、男性と同じくらいの年頃の利用者さま。
どうされたのかお訊きすると、「病気になってから数年、表情がなかった妻が、メイクをしてもらって笑ってるんです…!」と…。
それを聞いた我ら実習グループ一同、もらい泣き。
法的に「その言葉は使っちゃダメ」と言われても、やっぱりメイクにはセラピー的な効果があるような気がしてしてしまう経験でした。
●学校で習える技術が全てじゃない
このように、学校以外の場所で施術をしてみると、自分が思うとおりの綺麗、可愛いを作るだけが、ヘアメイクじゃない、ということがわかると思います。
美しく仕上がったヘアメイクの先に、何があるのか、何が起こるのか。
そんなことを、学生のうちから実習に参加して感じておくことが、プロになった時にきっと、さまざまな形で役に立つと思います。
