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フリーランスサポーター、Free’s netです。
先日、ヘアメイクリハーサルのお客様が、その前の司会者さんとの打合せが押している、とのことで待ち時間がありました。
その間、「どんなご提案をしようかな?」と、ヘアカタログを見ていて感じたことを、シェアしようと思います。
●自分が好きなヘアメイクってどういうの?
最近、お客様がネットやインスタでヘアスタイルをチェックしてお持ちになるのが当たり前になってきて、雑誌やムック本の形のヘアカタログって、あまり見なくなってきました。
ホテルの美容室に置いてるのも、古くなってきたなー、買い換えないとなー、なんて考えながら見ていたのですが。
「やっぱりこういうの、好きだな」と思ったのは、今、お世話になってる事務所の先生たちのヘアメイクと、永遠の憧れ、藤原美智子さんのヘアメイクでした。
流行最先端!というより、普遍的なベーシックな美しさ。
以前、事務所の直属の先生が仰ってた“「この人、生まれたときからこんな顔だったんじゃないの」と思えるようなヘアメイク”というのが理想かな、と改めて思いました。
これを読んでくださっているヘアメイクさん、皆さんご自身の好きなヘアメイクって、どういうのですか?
●無意識に“自分の好き”を作ってしまう問題
私が時々お客様、特にご新婦さまにお伝えするのは
「うちの事務所は、ナチュラルで綺麗系のヘアメイクが得意です。全く違う感じがお好きなら、違う感じにしますので、仰ってくださいね」
みたいなこと。
うちはスケジュールだけ見て、どんなお客様か知らないまま担当の割り振りをしていますが、不思議と担当者のカラーに合った方になってます。
私は“個性派担当”なのか、
「ドールメイクにしたい」とか、
「新郎とお揃いのツーブロックなので、剃ってるところががっつり出るヘアアレンジにしたい」とか、
「流行のハゲ散らかしたような前髪(シースルーバング)は嫌い!流行ってなくても、重めのぱっつん前髪がいいです!」とか、
事務所のテイストとは、ちょっと違う花嫁さんを担当することが多いです。
それはそれでおもしろいので、「個性的な方、どんどんお越し下さい」ではあるのですが(笑)、そうやっていろんな要望に答えるためには、“自分の癖”を知っておくべきだと思うのです。
多分、私は完全にお任せのオーダーだと、“素の良さが活きるメイク”を、無意識にしてしまいます。
だから、「ドールにするなら肌はいつもよりマットに作ろう」と思うし、「くっきりメイクがお好きだから、アイラインはいつもより太めに、リップラインもくっきり描こう」などと考えます。
(この場合の“いつも”は、お客様の“いつも”じゃなく、私が“いつもお客様にするメイク”のことです)
自分の“好き”を知らないと、“無意識にやってしまうヘアメイク”の傾向も、わからないのではないでしょうか。
●自分の“好き”を知ることは、それを押し付けることじゃない
プロのヘアメイクとしては、プロやヘアメイクを学んでいる人から見た上手さ、器用さ、センスの良さなども、もちろん大事です。
でも何より大事なのは、“お客様が、なりたい自分になれたかどうか”です。
例えばギャル全盛の時代には、“ギャルメイクのカリスマ”的な方々がいらっしゃいました。
もし、お客様がギャルメイクをしたくて指名したヘアメイクさんなら、全力でギャルにしてあげれば良いと思います。
でも、多くのヘアメイクさんは有名アーティストではなく、偶然担当になった人で、どんなメイクをする人か、お客様はご存知ありません。
それが“お客様の望むイメージ”でなければ、どれだけ“プロ目線で見て上手なギャルメイク”でも、意味がありません。
自分の“好き”が把握できていないと、無意識に自分が“きれい”“可愛い”と思うものを作ってしまい、お客様が不満そうでも、何がダメなのかわからないのではないでしょうか。
だって、可愛くできてるんですもの(あくまで自分目線では)。
もちろん、自分が好きなものをオススメすることが必要なシチュエーションもあります。
でも、プロであれば、それを押し付けてはいけないのです。
目指すのは“一番綺麗なその人”より、“「今日の私、素敵」と思わせてあげること”だと、私は思います。
“一番綺麗なその人”も、自分の好みによるのだ、ということも、忘れずにいたいものです。
技術職でもあり、接客業でもあるヘアメイク業。
難しいこともたくさんあるけど、お客様に満足していただけるヘアメイクさんを目指していきましょう!
