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フリーランスサポーター、Free’s netです。
今回のタイトル、フリーランス(業務委託)からパートに契約が変わる、ということなのですが。
恐らくよく聞くのは逆の変更で、パート雇用契約から業務委託契約に変わる、という場合です。
何故、それが話題になるのでしょう?
実際、仕事をする上で、何が違うのでしょうか?
・・・というところから、ヘアメイクさんがどういう契約をして業務に当たるべきか、考えてみましょう。
●フリーランスとパートの違い
まず、基本的なことですが、業務委託(フリーランス)とパートの違いはわかりますか?
ものすごくざっくり、噛み砕いて言えば。
業務委託とは・・・ある業務を社外の人にお願いすること。仕事を依頼する会社と請け負う人(多くの場合、フリーランス)は対等であり、会社からやり方の指示を受けず、時間、場所を決められない。
パートとは・・・会社に雇われてはいるが、正社員などと比べて短時間の働き方。正社員でなくても、労働基準法や、労働時間や日数によっては社会保険が適用される。
更にざっくり言えば、社外の取引先と、社内の社員さんです。
(ほんとにざっくりです。法的に正しい言葉とかもあるだろうけど、そこは目をつぶってください…)
●社員は労働基準法などによって守られる
パートタイマーは短時間や少ない日数しか出勤しなくても、“社員”ではあるので、正社員と丸きり同じ、とはいかないまでも、色んな権利があります。
例えば有給だったり、勤務時間の上限があったり、8時間働くなら1時間は休憩を与えないといけない、とか、法律で決まってて、違反がばれると会社は罰せられます。
はっきり言ってしまえば、社員を雇うというのは、会社にとって負担が増えることでもあるのです。
とは言え、継続的に働いてくれる労働力を確保したいから、負担が増えても、正社員やパートを雇います。
働く側にしても、雇用契約を結べば、会社の指示、監督の下、仕事をするという制限はありますが、社会保険を会社が負担してくれたり、無茶な働き方にならないように働く時間が決まってたり、福利厚生が受けられたりと、諸々の恩恵があります。
●偽装業務委託の問題
労働力は欲しい、でも負担は負いたくない、という会社は“業務委託”という選択肢があります。
業務の一部を社外の人や会社に任せるのが、業務委託です。
社員のように指示をしたり、思った通りの働き方をさせたりできなくても、成果物に満足できれば良いのなら、会社にとっては保険も負担しなくていいし、休みを規定通り取っているかとか、管理しなくていいし、楽チンです。
というので、実質はパート社員なのに、業務委託として届け出て、本来会社が負担すべきものを免れようとする不届き者がいます。
それが“業務委託を偽装して、労働者を不利な条件で働かせている”と問題になりました。
冒頭の“パート雇用契約が業務委託契約に変わる”は、そういった悪い意味で聞かれることも多いと思います。
(法律を守った業務委託への切り替えなら、経営の合理化として評価されたりもします)
では、タイトルの“フリーランスがパートに”は、どういうことでしょう。
●会社が罰せられないために
以前、ある業務を委託で請けていた会社から、「来月からパート契約で、給与の支払いにしてよいですか?」と言われました。
顧問税理士さんが経費のチェックをしていて「この業務委託費は認められないかも」と言われた、ということらしいです。
確かにその頃、担当者が代わって「いつまでにこの業務をしてください」という依頼の中身が、細かくなってきたなー、とは思っていました。
恐らくそれは「会社の指示の下で業務を行っている」と判断されるのでしょう。
偽装委託が問題になったがために、会社への監視が厳しくなったのかもしれません。
最近、ヘアメイクの業務を請けている事務所からも、パートへの切り替えを打診されました。
私の働き方なら、保険に入る義務があったり、有給をもらえるほども稼働しないので、さほどこちらのメリットは感じなかったものの、本当によくしてくれている事務所だし、「会社が怒られるのかもなー」と思って、パートに変わることにしました。
●今後そんな会社が増えるかも
もしあなたが、「来月からパートに」などと言われたらどうしますか?
私は条件を確認して、毎月の収入は変わらないし(源泉徴収で税金を会社が納めてくれる分、手取りは減る。でも確定申告で調整できる←これの意味がわからない方もいるだろうから、いずれブログのテーマにすると思います)、納得して契約変更の書類にハンコを捺しました。
でも、全員がそうしないといけないわけではありません。
契約書をちゃんと読んで、納得いかないなら、委託のままでも良いのです。
正直、労働基準法の保護なんて余計なお世話、働きたいときは働きたいだけ働かせてくれ、みたいなフリーランスの方もいるでしょう。
ただ、意味がわからないから受け入れる(逆に断る)は、よろしくないと思います。
ヘアメイクのように、専門の技術だけを行う場合は、業務委託が向いている気がします。
私たちの請けている仕事は、自分の担当以外の婚礼でもお互いのアシスタントをすることも増え、業務の範囲が曖昧なので、パートにしておくほうが安全な気がします。
今回、事務所からパートの切り替えの話が出たとき、同じように確認された他のメンバーも「よくわからないし、どうしよう?」となっていたので、このテーマで書いてみました。
もしも、そういった技術以外のところで困ったとき、相談できる場があると安心ですね。
このブログがそんな場になれるよう、頑張っていこうと思います。
