クリエイターを応援、サポートする
フリーランスサポーター、Free’s netです。
今回はクリエイターさんや目指す方向け、ではなく、「目指す方向が見つからない」という方に届けばいいな、と思っています。
●好きを仕事にするのは必須?
時々、SNSなどで見かける「就職するにあたって、好きなことが見つからないので、就活ができません!」みたいな話。
《就活》って、皆がみんな、好きな仕事に就くために行っているのでしょうか?
就活をする年齢は大卒で22歳、高卒で18歳、専門卒などは20歳だけど、その専門学校に進むために進路を決めるのが18歳、として。
そんなに早く「人生のファイナルアンサー」を見つけられるものでしょうか?
●ここでちょっと自分語り
短大を出た20歳の私は、よもや自分が将来、“ヘアメイクさん”になるとは、想像もしていませんでした。
そもそも、18歳で短大を選ぶときに「潰しが効きそう」という理由で“英米語学科・秘書コース”を選んでいました。
英語はどの業界でも使えそうだし(現職でも稀に、海外のお客様がいらっしゃるので使える)、秘書コースは必修科目にパソコンや秘書実務(ビジネスマナーなどが学べる)があるので、社会に出る自信がなかった私は、社会で役立ちそうな学科、コースがあった母校を選んだのです。
短大2年生で就活をしていたときは、色んな業種を受けたし、《好き》だけを根拠にしていたわけではありません。
折しも就職氷河期が始まったばかり、おいそれとは決まらず、最初に就職した会社には「拾っていただいた」と思っています。
そこでデパ地下で販売をしていて、親にも「短大行かせて販売かぁ」と、ちょっと失望させつつ。
数年後、母が突如、「エステサロンを開業する!」と言い出さなければ、自分がメイクが好きであることにも気づかなかったでしょう。
「家業は手伝いたいけど、エステは興味ないし…あ、メイクなら、エステの効果をよりよく見せるのに使えそうだし、顔に絵を描くようなものだから、できるかも!」
そうして24歳でメイクスクールに通ったことで、人生が変わり始めました。
●撒いた種に花が咲くまで
かと言って、すぐに退職してメイクの道に、とは行かず、32歳でもう一度メイクを勉強してから、やっとヘアメイクの仕事に就きました。
もちろん周囲の方からは、「そんな歳からじゃ、苦労するよ」とも言われましたが、私にとってはベストのタイミングだったと思います。
こんな風に、好きなことを見つけた後も、偶然が重なったり、たまたまタイミングが合うまで、時間がかかることもあります。
周りのヘアメイクさんや、スクール講師時代の社会人クラスの生徒さんも、
- ブライダルプランナーからブライダルメイクに転身
- 大学を卒業したものの、やっぱり美容の仕事がしたくて、バイトをしながらスクールに通う
- 全く関係のない業界からの転職
など、様々な経歴の方がいらっしゃいます。
私と同じように、30代から方向転換、という方も珍しくありません。
だから、二十歳前後で人生の方向性が見出だせなくても、焦らないで良いと思います。
月並みな言い方ですが、目の前にあるものに真摯に向き合ううち、好きなこと、やりたいことが見つかるかもしれません。
趣味を楽しむため、仕事は安定して収入が得られれば内容は特に気にしない、という考えに変わるもしれません。
でも、たまたま就いた仕事だとしても、きちんと責務を果たす努力だけはしておきましょうね。
それがきっと、「昔取った杵柄」というやつで、好きな仕事をし始めたときに、自分を助けてくれるはずです。
●「好きが仕事」で良かったことって?
《普通の仕事》と《好きな仕事》、両方を経験したから言える、『好きなことを仕事にしていて感じるメリット』は
- 技術を伸ばすための練習も楽しい
- 情報収集と言う名目で、お店巡りやネットサーフィンをしていても、罪悪感が少ない
逆に『特別好きではないけど、頑張ったおかげで身に付いたもの』は
- PCスキル(Excel、Word、Illustrator、Photoshopなど)
- 接客マナー(敬語が自然に出てくるとか)
- 食品会社だったので、アレルギー表示などの知識
…など、もっと考えれば色々出てくるけど、今、思いついたのはそれくらい。
こう見ると『好きを仕事に』のメリットは案外些細なことで、そうじゃない環境で身に付いたものは、仕事をする上で欠かせないものですね。
そんなもんです。
『好きを仕事に』したからと言って、毎日がキラッキラになるわけではありません。
好きでやってる仕事のために、気になること、落ち込むこと、腹の立つこと、本当にいっぱいあります!
それ以上のやりがい、嬉しいこともないわけではないですが、特に好きでもない普通の仕事をしてても、充分味わえると思います。
『好きを仕事に』は、必須ではありません。
仕事にしたら、好きが嫌いになるかもしれないし、逆に嫌いが好きになるかもしれません。
好きなこと=仕事だと、人生に占める楽しい時間の割合が、ちょっとばかり増えるくらい、特別な素晴らしいことというよりは「ちょっとしたラッキー」くらいだと思って良いです。
だから、「君に夢はないのか」「好きなことをやりなさい」などは余計なお世話だと思うし、そんなことを言ってくる輩には「特にありませんが、何か?」とでも言っておけば良いのです(笑)
クリエイターを応援するFree’s netですが、クリエイターじゃない方も、応援しています!
